ブランドの構築次第で、企業の未来は大きく変わる。
企業のフィロソフィーや中期経営計画の仕事に関わっていると、「なぜ、ビジョンは必要なのか?」という根源的な問いを投げかけられることがあります。
そのときに頭をよぎるのは、サン・テグジュペリの言葉です。「愛はお互いを見つめあうことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」。
組織もそうだと思うのです。お互いの「あら」を探しはじめたら関係は悪化する。必要なのは「何の目的のために一緒にいるのか」の言語化。それが、ビジョンの大きな役割だと考えます。
多くの企業では、その答えはすでに経営者など意思決定者の中にヒントがあります。ただ、言葉になっていない。あるいは、言葉にはなっていても、組織に届いていない。
私たちの仕事は、その答えを一緒に見つけるところから始まります。
考えることと、つくることが、同じテーブルにある。
「伝える」よりも「伝わる」ことを。「伝わる」よりも「人が動く」ことを。「人が動く」だけよりも「人が育つ」ことを。
持続的で、本質的であることを追求していくと、目的設定は上位に変わってくるし、企画は強いものになっていく。
私たちは、戦略を語るだけのコンサルタントではありません。言われたものをつくるだけの制作会社でもありません。考えることとつくることが同じチームにある。だから、考えたことがそのまま形になるし、形にしながら考えが深まっていく。
答えを持ち込むのではなく、対話の中から掘り起こす。外からフレームワークを当てはめるのではなく、その会社の中にすでにある「核」を信じる。それが、最も長く機能するブランドになると考えています。
私たちにできること
1. 意志を言葉にする — PMVV・ブランドフィロソフィー
「なぜこの会社は存在するのか」を言葉にします。ただし、「世界一」や「かつてない」のような便利な言葉では語りません。ソニーの経営者がトランジスタラジオの開発で技術者に伝えたのは、「世界一ちいさいラジオをつくれ」ではなく「ポケットにはいるラジオをつくれ」でした。額に飾る言葉ではなく、明日の判断基準になる言葉を目指します。
パーパス、ミッション、ビジョン、バリュー。企業フィロソフィー、ブランドフィロソフィー。名前は違っても、目指しているのは同じことです。組織が同じ方向を見て動き出す、その起点をつくる。
2. 中期経営計画の構築・浸透
中期経営計画は、言葉の仕事と数字の仕事が交差する、最も複雑な領域です。ビジョン策定とも浸透プログラムとも違う、独立した技芸として扱っています。
数値目標はあるのに、「なぜその方向に進むのか」を社員が語れない。中計の現場でよく起きることです。私たちは、数字の裏にある意志を言葉にし、全部門のリーダーが自分の言葉で方針を語れる状態まで伴走します。計画書を配って終わりではなく、組織が同じ方向を見て動き出すところまで。
3. ブランドの構造を設計する — ブランド戦略・体系・マーケティング
企業ブランドと、事業ブランドと、商品ブランド。全体の構造と、個々の個性。その両方を設計します。「2つの建物」の関係を整理するように。本館とは違う価値を持つ別館が、本館全体を引き上げるようなこともあります。
ブランドは、一度つくって終わりではありません。市場の変化、顧客の変化、競合の動きに合わせて、届け方を更新しつづける必要があります。ブランドの「核」を軸に、持続的に成長するためのマーケティング戦略を設計します。派手な施策の寄せ集めではなく、核からの一貫性を持った設計を。
CIリニューアル——社名、ロゴ、タグライン。企業の「顔」を変えるプロジェクトも、見た目の話ではなく構造の話として扱います。全社員に「なぜ変えるのか」が腹落ちしていないと、変えた瞬間が一番のリスクになる。
4. 組織に機能させる — インナーブランディング・浸透・エンゲージメント
決めた言葉を、組織に届けます。ただし、覚えさせるのではなく、自分ごとにするために。映像、冊子、ワークショップ、社内メディア。形はさまざまですが、共通しているのは「自分の仕事の意味を見つめ直すきっかけになる」ことを目指す設計です。
中期経営計画や経営方針を機能させるためのコミュニケーション支援、社員のエンゲージメントを高める継続的な施策、周年を契機とした組織活性化。単発のイベントではなく、組織文化として根づかせるところまで。
5. 社内外のリーダーを支える — トップコミュニケーション・採用
経営者の言葉を、社内外に届くかたちにします。経営方針発表、カンファレンス登壇、統合レポート。リーダーの頭の中にあるものを、組織が動く言葉に変換する仕事です。戦略参謀としてリーダーの思考に伴走する役割も担います。
採用コミュニケーションも、企業ブランディングと連動させます。「何をやっている会社か」ではなく「なぜこの会社で働くのか」が伝わる採用サイト、会社紹介資料、カルチャーブックの制作。
6. 新しい事業を立ち上げる — 新規事業・新商品のコンセプト開発
新規事業や新商品のコンセプトを、ブランディングの視点もふまえて開発します。「何ができるか」だけでなく「誰に、なぜ必要なのか」。事業のゼロイチとブランド構築を分けずに、同じチームで並走します。
実績(匿名)
ある住宅設備メーカーの中期経営計画に関わったとき、数値目標はあるのに「なぜその方向に進むのか」を社員が語れない、という課題がありました。価値創造プロセスの構造化から、全部門のリーダーが同じ言語で自部門の方針を語れる状態をつくるまでを伴走しました。
ある医薬品メーカーでは、創業100年を超えるタイミングで新しいパーパスを策定。全社員500名超へのアンケートを実施し、その声をもとに経営層の対談映像を制作しました。パーパスを「覚える言葉」ではなく「自分の仕事と重ねて考える言葉」にするためのプログラムです。
あるレストラングループでは、新パーパスの浸透のために「価値創造プロセスの循環図」を設計しました。「覚えさせる資料」ではなく「自分の仕事の価値を見つめ直すための読みもの」として。スタッフ一人ひとりのインタビュー動画も制作しています。
まずは、対話から始めましょう。
「まだ何をお願いしたいか決まっていない」という段階でも構いません。考えていることがあれば、一緒に言葉にしていくところからお話をさせてください。