間宮のコラム まみこら vol.9
“新しさ”ってなんだろう(6)

間宮 洋介

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続けちゃいました

2024年、紙幣の肖像が「新しく」なる

 

“新しさ”について、書きたいことも書いたので終わりにしようと思ったのですが、昨日の夜に「紙幣のデザインが新しくなる」というニュースが出たのでもう一回だけ、“新しさ”について考えるのを延長してみようと思います。あ、新しく選ばれた人物についての賛否とかの話ではないですあらかじめ。

 

 

紙幣ってなんで新しくなるの?

 

いつもの癖でGoogle先生に聞いてみる前に、紙幣のデザインを新しくする意味を考えてみました。これもみなさん、当たり前に理解してますよね、きっと。すいません。①偽造防止?でも昔ならいざ知らず、最近そんな偽札事件とかってあったっけ?どこぞの国じゃあるまいし。②消費へのテコ入れ?自動販売機だのなんだの対応しなきゃならないからお金が回るのかな、とか。③時代性?単に飽きたりしたら新しくするのかな、とか。でもそもそもこれからキャッシュレスの時代になるのに、紙幣とか新しくする必要があるのかな?→そうか!紙幣を新しくすると事業者側が色々面倒くさいから、それに対応するくらいならキャッシュレス対応にしたほうが早い、みたいなことでキャッシュレス化が捗るのか?とか、色々考えてました。

 

Shutterstock.com

 

 

紙幣デザインを新しくする意味

 

それが「正解」というわけではないと思いますが、紙幣を新しくする意味をネットで調べてみました。一番大きな理由はやはり「偽造防止」。まあ、それはそうか。紙幣のデザイン変更、前回は2004年。大体20年に一度変更されるそうです。20年の間に印刷技術が進化するにしたがって、偽造技術もじわじわと進化しているそうで、まだ起きていない、でも将来起こるかもしれない偽造事件に対してのリスクヘッジとして定期的にデザインを新しくするそうです。それとは別に、大規模な偽札事件が起こると、そのサイクルとは別に大幅なデザイン変更(大きさも含め)を行うそうです。ちなみに、肖像を選ぶ基準は「髪の量が多い」「ヒゲの量が多い」ことで、最近では必ず女性も含まれています。なぜならそういう人の肖像は偽造しずらくなるから(あれ?でも福沢諭吉は?シワ?)。ということで、紙幣のデザイン変更は兎にも角にも「偽造防止」を目的に行われるんだな、ということがわかりました。あたりまえですいません。

 

 

 

 

社会の基盤インフラに必要とされる“新しさ”

 

紙幣の新デザインの意味を調べてみて、いままで、企業やスタートアップの「チャレンジ」や「イノベーション」についてけっこう好き勝手に書いてきましたが、こと社会基盤を「新しく」するとなると、特に日本では「目的性」が明確なのはもちろん、「安全性」「秩序の維持」みたいなことも考えなくてはいけないんだなあ、と再認識しました。「未来のリスクを考えて、それをヘッジしておくために、定期的に新しくする」と言うのも「未来の(安定した)常識をつくる」と言う意味では「公的イノベーション」と言えるのかもしれません。官僚おそるべし。と言うことで今日はあまり結論らしい結論はないのですが、一つあるとすると、「将来、紙幣の肖像になりたい男性は、育毛を大切に。頭髪がダメならヒゲを伸ばせ」でしょうか。今回は少々息抜きコラムでした。

YOSUKE MAMIYA
1994年電通入社。2年間のマーケティング局、16年間の営業局勤務を経て、2012年よりCDC。 「戦略とは、課題の言語化である」を戦略立案の芯に据え、戦略から表現まで統合し、あらゆる課題解決業務に従事。関わる領域は、広告コミュニケーションにとどまらず、事業系ソリューション、中長期経営計画立案、インナーのモチベーション・デザインなど多岐にわたる。 2017年に電通より独立。2018年 株式会社 Que 代表取締役CEOに就任。 主な仕事として、キリンビール「一番搾り」「氷結」キリンビバレッジ「午後の紅茶」「FIRE」におけるコミュニケーション・デザイン。 トヨタ自動車「AQUA」「MIRAI」「PRIUS PHV」「C-HR」のコミュニケーション戦略、 NTT ドコモ「2020 東京オリンピック協賛プロジェクト 」、プレナス「ほっともっと」ブランディング・ディレクション、日清食品「カップヌードル」 「UFO 」におけるキャンペーン・プランニングおよび、フロンテッジにおける事業コンサルテーションなど。