株式会社WEの経営フィロソフィーの言語化・事業の言語化を支援を行いました。
直接、顧客と会うと思いや事業内容が伝わるけれど、その前には、事業内容がうまく伝わっていなかったり、間違って受け取られてしまうことがあるというお悩みを持たれていました。
それは、代表の戸田さんを始めとするWEの活動を行うなかで大切にしている想いや姿勢が、ある種「強すぎる」ということに起因しているように感じました。このプロジェクトが始まる前、サイトに掲げられていた言葉はこのようなものでした。
<旧サイトに掲げられていた言葉>
言葉の裏にある意味を教えていただいたり、深く読み込んでいくと、その真意は伝わるのですが、このままでは確かになかなか伝わらない。ウェブサイトだけで、どんな思いでどんな事業をしているのか、きちんと伝わっていくような言葉が欲しい。
そんなご相談から、本案件ははじまりました。
QueオリジナルのDeep Questionシートから、
価値観やビジョンを引き出していく
Queのブランドフィロフィー構築プロセスに沿って、Deep Quesetionからはじまり、全文章化、そして何度ものセッションを行いながら制作しました。
まずは、大きな課題感や開発する言葉に果たして欲しい役割をヒアリング。そののち、質問票を作成して、WEが大切にしている価値観やビジョンを引き出しました。
MVVの構造にとらわれず、
まず顧客目線でどう伝わるかからアプローチ
引き出したブランドのコアとなる要素を紡ぎ、いくつかのコピーを作成。具体的な言葉を通じて、対話を重ねました。
構造的に言葉を整理していくアプローチもありますが、今回は、様々な顧客目線にたったときに、どう伝わるのか?ということをコピーを実際に書いてサイトに当てはめながら考えていくということから行いました。
その結果、MVV(ミッション・ビジョン・バリューズ)にとどまらずに、その企業や事業に足りていない言葉が明らかになっていくことが多いです。
サイトトップで伝えるべき言葉とは?
結果として、サイトトップの言葉は、以下のようにまとめました。
WEのサービスの受講者だけでなく、WEのサービスを導入する企業や自治体の担当者、さらに今後パートナーとなってくるような人や企業などに対しても機能するように「WEが目指しているもの」「WEが事業を行う根幹にある思い」を端的にまとめて伝わるようにしました。
「組織を変えることよりも、一人を変えることのほうが大きな変革の一歩になる」というWE代表の戸田さんの思いが端的に伝わるようにしています。
未来は、きっと、あなたの中にある。
どんなイノベーションも、どんな発明も、
どんないいサービスも。
ひとりの熱い思いが、起点となっていました。
未来はまさに、一人ひとりの中に、あるのです。WEは、対話型探求パートナーとして、
教育、新規事業、地域づくりなど、
さまざまな事業を、
あなたの中にある「やりたい」を起点としながら、
実現の道を一緒に探し、
未来を一緒につくっていきます。
その事業がどんなカテゴリーに属するのか?
WEは、どこにも似ていない事業を行っています。
しかし、それを伝えることは難しいことです。人は、自分の中にあるものを基準としながら新しいものを認識していくからです。私たちは、それを「認知の土台」と呼んでいます。
今回は、認知の土台をつくるために事業のカテゴリーをつくることにしました。つまり、WEのやっていることをひとことで言うと何かです。
それが、こちらです。
対話型探求パートナー
一人ひとりと対話をしながら、その人の中にある可能性を一緒に探求していくこと。そんなWEの事業を「対話型探求パートナー」と名付けました。
この視点から、提供サービスも再整理していきました。ちなみに、Beforeがこちらです。
情報要素のレイヤーがバラバラだったものを「パートナーサービスを受ける人」という軸で、学校・地方自治体・企業の3つに再整理しました。Afterがこちらです。
スタンスとゴールを言語化すれば、
どんなパートナーになってくれるか想像できる。
事業を「対話型パートナー」として規定したとき、どんなパートナーになってくれるのか、顧客に想像してもらえることが大切だと思いました。それが、WEが他の企業と明らかに違うところだったからです。
そこで、スタンスと目指しているゴールを、About usのページにて伝えることにしました。
<私たちのスタンス>
世界一、あきらめの悪い会社になる。
わたしたちは、諦めません。
あなたの中の可能性を。
あなたから生まれる、新しい未来を。なぜなら、
自分が自分を信じられれば、スタートできるから。
そして、ゴールと、ルートがわかれば、
人は走れるから。
そのために、私たちは、
一人ひとりととことん伴走します。あなた以上に、あなたを諦めない。
それが、わたしたち、WEです。
<WEが大切にする3つのスタンス>
まず、あなたの応援団になります
自己肯定感の低い人も、見方を変えれば、リスクの感知能力が高い人とも言えるように、誰しもが他の人とは違う魅力を持っています。一人ひとりの持つ資質や気質と向き合い、その可能性を応援することをWEは行います。
あなたのアイデアの一番最初の理解者になります
どんなアイデアも、最初は、これがいいアイデアなのか自信がないもの。それに対して、WEは、そのポテンシャルを見出して理解し応援していくことを行います。アイデアは、理解され、信じることで伸びていくのです。
ゴールに向けての伴走者になります
アイデア実現への道は平坦ではありません。何かの壁にぶつかったときに、ありとあらゆる方法でゴールへの道のりを一緒に考えます。一緒に悩み、一緒に考えて、壁を乗り越えていく。そんなパートナーに、WEはなります。
最後に、以上のような想いと姿勢をもったこの事業を通じて、どのような世界を目指すのか?という長期的なビジョンを言語化しました。
<私たちのゴール>
地球から、すべての断絶をなくす。
「やりたいこと、からすべてがはじまる」としたら、その先の未来は、どのようになるのでしょうか。
それは、誰もが目標を持ち、やりたいことができている状態とも言えるでしょう。
そこでは、「誰もが違いを認め合って生きていける社会」が実現されると思うのです。一人ひとりが、それぞれのゴールに向かって、
やりたいことに取り組んでいれば、
お互いがお互いのゴールに耳を傾け、助け合えるようになるはずです。やがて、国境や人と人を隔てるようなものがなくなり、地球からすべての断絶が消え、地球をひとつの国のように思える未来がある。
そう強く信じて、WEという社名をつけました。「私たちみんなの未来」という思いが込められています。
以上のようなプロセスで、フィロソフィー開発を行っています。MVVというフレームに囚われず、そのブランドにとって本当に必要な言葉はなにか?を探求し、抽象論ではなく具体的なことばを通じた対話から定着を行います。
機能しつづける
言葉を考え続けたい。
言葉は整理して終わりではありません。耳障りのいい言葉は簡単に作ることができますが、そこ言葉が事業や組織の成長に寄与しなかったら意味はないと思っています。Queが大切にしているのは「機能しつづける言葉」です。MVVに留まらず、事業や商品規定の言葉、フィロソフィーの言語体系の再整理など、お気軽にご相談ください。
Project Information
- Client:WE
Que Staff
- 仁藤 安久|Yasuhisa Nito
- 葛原 健太|Kenta Kuzuhara