
先日、尊敬する先輩から「間宮が考えるブランディングってなんだと思う?」と聞かれました。その時に、自分は「ブランディングって、好きにさせること、だと思います。ちょっとエモく言うと【愛される差】をつくること、と言うか」という記憶があります。
これらの言葉の解釈、について全員がうなづいてくれるかはわかりませんが、その後先輩とは「そうだよねー」「それくらいシンプルでいいんだよね」と盛り上がりました。(ちなみに同時に話した「マーケティング」の定義とは?との問いには「欲しくさせること」と答えた気がします。)
かつて自分は、ブランディングとはもう少しざっくりと「他と(明確な)線を引くこと」だと定義していました。そもそもブランドとは自分の牛と他の家の牛を「区別」するための焼印(BURNED)から来ているからです。
だからブランディングは【差】をつくって線を引くこと、そう思っていました。それを【愛される差】をつくること、に自分の中の定義を変えたのには理由があります。
とても真面目に言えば、「【差】をつくることは手段であって目的ではない。目的はあくまでも好きにさせることだから」ってことなのですが、もう一つ、個人的で現代的な理由があります。
最近、日常生活において、リアルでもネットでも、「人って【差】をつけないと生きていけない動物なんだな」と改めて思うことが増えました。社会全体では強く同調圧力が働く中で、「でも(さりげなく)私は違う」ということを伝えたい、というような「複雑なマウンティング」に遭うことが増えたように思うんです。もしかしたら自分もやってしまっているかもしれません。
マウンティングも【差】をつくることだと思います。でも多くのマウンティングに対して、人はいい感情を抱かないものです。それは一時の優越感を与えてくれるかもしれませんが、【愛される差】でないことが多い。ビジネスとしてのブランディングはそうであってはいけないと思います。愛されなければ選ばれないし、愛されなければ続かない、愛されなければブランドはビジネスに貢献しないのです。ブランディングに必要なのは、最終的にブランドを愛されるものにすること、そのために【愛される差】をつくること。
つくろうとしている【差】がマウンティングになっていないか、そのことに細心の注意を払いながらブランディングを支援していきたい、Queはそう考えています。